幼稚園教諭の仕事の中でも保護者からのクレーム対応は憂鬱ですよね。
ただでさえ普段気を遣っているのに、その上クレームを言われては精神もすり減ってしまいます。
しかし現実的にどの幼稚園にもクレームを言ってくる保護者は一定数いると言って良いでしょう。そんな中で私たちは日々働かなくてはならないんです。
これは逃げられない現実。そこで、この記事では
・クレームを言われた時はどうすればいいのか
・クレームを言われないためには
を紹介していきます。
クレームを言ってくる保護者の心理を知り、対応し、事前にクレームを防ぐことで、あなたのストレス源が一つ減ることになります。
ぜひこの記事を参考に、明日からの幼稚園教諭生活を少しでも平穏なものにしてくださいね。
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目次
幼稚園教諭が受けた嘘のようで本当の保護者からのクレーム

実はクレームに悩む幼稚園教諭は非常に多いんです。では実際にどのようなクレームが多いのか早速紹介していきますね。
転んだから謝りなさい。
同僚のクラスの子が遊んでいる最中転んでしまい怪我をしたことがありました。すると保護者から幼稚園から謝罪をすべきだというクレームが入ったんです。
子どもが転んで怪我したのも幼稚園の責任なの!?って思いますよね。
でもその保護者の怒りが収まらずその際は同僚と主任で家まで謝りに行くことに。
おもらしは先生のせい!
たまーにおもらししちゃう子っていますよね?そういう時は先生として着替えさせて、服は洗って、と対応しますが、「なんでトイレ我慢させたんですか!?」と
あたかも私がトイレを我慢させたかのような言い草。他の先生にも平気で「〇〇先生はうちの息子にトイレを行かせないようにしています!」とクレームを入れてきました。
さすがに唖然としましたね。
うちの子の役を変えてくれ
お遊戯会で披露する言語劇の役柄が気に食わなかったのか、変更するようにとクレームを入れられたこともあります。
最近は主役が4〜5人は当たり前、それでも役をばらけさせてなんとか劇として成立させようと精一杯なのに、そんなクレームしないでよ・・・と思ってしまいますし、何より子どもが選んだにもかかわらずクレームにしてくる親もいます。
クレームを言ってくる上に子どもの意見も尊重できないとなるともう相手にしていられない・・・と思ってしまいます。
遊具を無くしなさい
「あの遊具は子どもが危ないから無くしなさい」というクレームもあります。
幼稚園の設備にまでクレームをつけてくるなんてこっちとしては「勘弁してよ・・・」と想像しただけでストレスですよね・・
やはり最近はなんでも過保護に見てしまう保護者が増えたというのは実感として感じますし、それがクレームの源となっていることも多く感じます。
クレームを言ってくる保護者の心理

このように幼稚園教諭にはさまざまなクレームがふりかかる可能性があります。
最近モンペと呼ばれる厄介な親が増えていると言われているせいか、クレーム対応は幼稚園教諭の一つの技術のようになってきました。
でも、そもそもなぜ保護者は園にクレームを入れてくるのでしょうか?
実はいっけん「理不尽。」と思うようなクレームの裏にも、それぞれある心理が働いています。
その心理を知ることで、クレーム対応をどうすべきか見えてきますので早速みていきましょう。
クレームを認めて欲しい
もちろん、クレームを言ってくる人は、文句や不満があります。
その不満を認めて欲しい、私がが言っていることが正しいでしょ!と認めて欲しいという心理を持っているんです。
厄介なのは、自分の意見は受け入れられるべき!とも思っていること。
クレーマーは常に私の意見を受け入れなさい!というスタンスでものごとを言ってきます。
要はただ文句を言ってその意見を受けて入れ欲しいという心理です。
普段から園側に鬱憤があり、怒っている
クレームを言ってくる人というのはもともと園側に不満を持っている人が多いです。
というのも、日頃から疑問に思ったことや不安に思ったことを言ってくれる保護者はクレーマーにはなり得ません。
一方で、子どもを預けてるし、下手に意見を言えない…と思っている人ほど、何かあった時にどかーんと不満が爆発して、クレームとして園に訴えかけてきています。
そういう人は怒りに任せてクレームを言ってくるので、こちらとしても怖いですし、どうしたら良いかわからなくなりますよね。
子どものためにと戦っている
親ですから、保護者自身にとって、子どもが快適に過ごせるように、とクレームを言ってくる人もいます。
例えば野菜を無理やり食べさせないでください。
とか、服が汚れたらすぐに着替えさせてください!とか、
こちら側からすると、なんだその理不尽な要求は…とおもいますが、保護者本人はいたって真面目に要求してきています。
子どものためにと幼稚園教諭にクレームを出してきているんです。
この心理をしり、刺激しないように対応するのがクレーム対応
どのようにクレームに対応すべきか

クレームを言う保護者の心理がわかったら、あとはその心理を刺激しないように対応すれば大抵のクレームは大ごとにならずにすみます。
ここで、何より大切なのは、相手の気持ちを収めること。クレーム対応の目的は相手の気持ちを収めることなんです。
問題解決、論破するなんてことはしなくてよくて、まずはクレーマーの気持ちを抑え、冷静に話し合いができるように持っていくのが基本です。
それを頭に入れた上で、具体的なクレーム対応をみていきましょう。
否定語は使わない
クレームを言われると言い返したくなったり否定したくなりますがそこはぐっとこらえましょう。
クレームを言ってくる人の心理は、不満を認められたい。とか、私が正しい。という心理です。
ですので、「ですが、」、「しかし」、「ちがいます」、などの否定語を使ってしまうと、自分のことを否定されたように感じるので、さらにヒートアップしてきます。
クレーム対応の基本は相手の心を静めることです。
そのためまずは、「そうですよね」、「はい、申し訳ありません」と、相手を刺激しないよう否定語を使わずに、クレームを認めて欲しい、という心理を満たすように対応しましょう。
しばらくたつと口調も落ち着いてきますよ。
ゆっくり毅然と対応
相手がヒートアップしてくるとこちらもだんだんと気持ちが昂ぶってしまい、論争したくなってしまうこともあるかも知れません。
そうなるとどうしても相手の言うことを否定する、早く訂正しようとするため、早口になってしまい、相手もあなたの言う言葉を早く否定しようと早口になり、クレーマーとしては収まりどころを失います。
クレームを言ってきた保護者側は、「私のクレームにケチつけるの?!」
と、クレームを認めて欲しい、という心理が満たされず余計にクレームが多くなったり、激昂してきて手に負えなくなってしまう事もあります。
ですので、クレームを受けてもゆっくりと話し、毅然とした態度で接しましょう。
意志は受け止めるがその場で明確な答えは出さない
クレーマーに対して否定語を使わずに冷静に対処できても、その場で「今後は〇〇します。」と宣言してしまうと、あなたがあなたの首を締めることになりかねません。
わたしの園でも、服が汚れた!というクレームに対して先生が「今後は汚れたら洗います」と宣言してしまい、洗うというルールが作られてしまったことがあります。
ですのでいくら「今後どうしてくれるの?!」と責められても、「申し訳ありませんでした。この件については園全体で話し合って結論を出しますので…」と個人での判断ではなく園全体での判断を仰ぐことを伝えましょう。
その際、保護者の意図をしっかり組んだ解決策を話し合うことを伝えるとなお良い対応になります。
例えば、幼稚園の遊具で怪我をしてしまった場合
「〇〇様があの遊具の存在自体が子どもの危険なんじゃないかというご意見については、一度園内でどのように今後対応すべきか話し合いをさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」
と言う具合に相手の意思を汲み取ることでクレームも激しくならず、その場は収まってくれることが多いです。
クレーマーの要望を全て受け入れてしまっては相手の思うツボですから、否定せず、冷静に、かつ、なんでも言うことを聞くわけじゃない。というスタンスが大切です。
クレームを事前に防ぐには?

実際にクレームを受けてみるとわかりますが、クレームを言われるのって良いものではありません。悲しくて辛い気持ちになります。
対処が分かったとしてもなんとかクレームをそもそも受けることなくしたいですよね?
ですので、クレーム事前に防ぐ方法もここでは紹介していきます。
先生間でクレームを言ってきそうな親を共有しておく
先生同士、あの保護者はクレーム言ってきやすいかも…と情報共有しておくとクレームを防ぐことができます。
クレームを言う保護者の中には日頃からヒステリックだったり、人に文句を言いやすい人がいます。
なにかと強くものを言ってきたり、理不尽な要望をしてくることもあるので、そういう保護者はあらかじめ職員間で共有し、クレームに発展しないような対応、環境作りを、心がけましょう
日頃からネガティブな事も話せるような関係にしておく
クレームを言ってくる親というのは日頃、幼稚園に対して意見をあまり言わないタイプの人もいます。それ故に、何かの拍子で爆発してクレームを言ってくることがあります。
ですので日頃から保護者の本年引き出せるような関係を築けるとなお良いでしょう。
日頃から不満や不安を言ってもらえればいざという時に爆発されず、クレームにならなくてすみます。
信頼関係を築くこともできるので、逆に日頃の悩みを相談できる相手にもなりえます。
さいごに
幼稚園教諭が受けるクレームって言われている方は辛いし、今後まだまだクレーム対応しなきゃいけない可能性があると思うと憂鬱ですよね。
ただ、最後にあなたに分かって欲しいのは、”クレーム=あなたを批判している”ではないということ。
言われる側はたまったものではありませんが、クレームを言ってくる側にも理由があってクレームを言っています。そもそもの目的として、決してあなたを批判したいと思っているわけじゃないんです。
なので、しっかり相手の心理を読み取って、その気持ちを逆なでしないように接し、クレームを入れてきた保護者にとってヒートアップしないように対応すれば、あなたの心も疲弊せずにすみます。
理不尽なことを言ってくる保護者がいると疲弊してしまいますが、そういう保護者は園全体で情報共有し、クレームになる前に対応したり、クレームになっても対処法を共有しておくことで、先生の負担を減らすべきです。
ちなみに、もしあなたが周囲の先生の助けなく、たった1人でクレーマーに対応しているのなら、それは異常です。そのまま働いていたらおそらく心が壊れてしまう。そんな状況放っておくべきではありませんので、転職を考えましょう。
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