「子どもには無限の可能性がある」
と言いますが、その無限の可能性の生かし方、子どもにはまだわかりませんよね。ですので、
私たちまわりの大人がその可能性を潰さないように、導いてあげる必要があります。
その導き方を知る上で、欠かせないのが、「メタ認知」と「非認知能力」という言葉です。
難しい言葉で解説しているサイトが多かったので体験談と、具体例を出してまとめてみました。
子どもが無限の可能性を持って成長できるように、私たち大人が考えるべきことと、するべきことは何なのでしょうか。
是非参考にしていってください!
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メタ認知とは?
まず、メタ認知についてです。
簡単に言うと、「自分で自分を知ること」を言います。
メタ認知ができていると自分の持っている能力を最大限に生かすことができるようになります。
メタ認知ができている=自分の能力を伸ばす方法を自分で知っている
と考えると、わかりやすいかもしれません。
子どもはまだ自分自身でメタ認知ができていません。ですので大人が、子どもがメタ認知できるように、
導いてあげなければなりません。
例えば、逆上がりであれば、習得するまでの努力の仕方が2通りに分かれます。
①何回も練習を続けて実を結ぶタイプの子
②間をあけながら練習し、実を結ぶタイプの子
その子が「自分がどの努力の方法があっているのか」先生が教えてあげます。
実際私も園児によって努力の仕方を変えて指導しています、その結果どんどん練習する子も
間を開けながら練習する子もみんな逆上がりができるようになります。
最悪なパターンはその子に合わない努力の仕方をさせてしまうことです。
正しく努力をしていれば、逆上がりが出来ていたのに、大人の間違った導き方によって、
その子は逆上がりが「できない」ことになってしまい挙句の果ては「嫌なこと」になってしまいます。
そんなの可哀想です。
大人がその子にあった努力の仕方を見つけ、導いてあげることで、成功体験となり、逆上がり以外の分野でも
自分にあった努力をし、習得することができ、自信につながります。
これがメタ認知です。
非認知能力
これは難しい言葉で、一言では言い表せませんが、
非認知能力はテストの点数では表せない、その子の資質のことです。
非認知能力を養うと、
例えば、うまくいかない時に「どうしてかな?」「もっとこうかな?」「じゃあこうしてみよう!」と、
うまくいく方法を自分で考え、さらに粘り強くなり、自分で目標を達成しようとする力が身につきます。
非認知能力(粘り強さ)は就学前に身につけるべき能力として注目されていて、
幼稚園の教育要領にも影響を及ぼしました。
周りの大人がするべきことは、答えを与えないことです。
先日、ドミノを並べている園児がいました。なんどもなんども失敗するのですが、次第に
ドミノの置き方を工夫するようになり、少しづつドミノを置けるようになっていきました。
ここで私が「このドミノはこうやっておくんだよ。」「それだと倒れるからこうしな」と答えを与えてしまうと、
ドミノ自体は並べることができたかもしれませんが、その子が考える機会を奪ってしまうことになります。
こうすると、非認知能力は身につきません。
自分で考えて実行して、成功した体験は、英語の知識よりも漢字の書き方よりも
鮮明に脳の中に残り、その後の人生の大きな財産になります。その財産を大人はしっかりと
子どもたちに持たせたまま、成長させてあげることが本当に大切です。
ちなみに、非認知能力を養った子はそうでない子に比べ、給料、持ち家率、犯罪率に大きな差が出ていることがわかっています。
認知能力と非認知能力
一方、非認知能力の対義語に認知能力があります。
これは文字が読める、数字がかけるなど文字通り、その子が認知している能力のことです。
ちなみに、今や当たり前になっている”早期教育”はこの認知能力を高めるために行われておりますが、大変興味深い研究結果が出ています。
それは、幼児期に知識を入れ込んでも、結局小学校のある時点では周りの子と知識が同等になるということです。
なぜなら、幼児期に過剰に勉強をしても、小学生のある時点で他の子の認知能力が発達してきて、結局認知能力に差が出なくなるからなんです。
ここからの人生で差を出していくのが
非認知能力!認知能力は同じであっても、「こうしよう」「じゃあもっと別の方法で試してみよう!」
という能力があるので、その後の成績、学歴、就業率につながっていきます。
何が言いたいかというと、幼児期に英語や勉強を教えることも悪いことではありませんが、まずは
非認知能力を高めてあげませんか?ということです。
幼稚園教育要領も改定された
実はメタ認知、非認知能力を育むために、幼稚園でも指導しなさい!という改定が平成29年にありました。
これまでの幼稚園教育は「生きるちから」に重きを置いてきましたが、これからは
「資質・能力の育成」に重きをおいて教育をしていくことになります。簡単に言うと、
幼稚園に来て
「楽しく遊んで帰る」
から
「楽しく遊んで、学んで帰る」
より、「学ぶ」と言う機会が増えると考えていただけるとわかりやすいと思います。
ここでいう学ぶはメタ認知、非認知能力が中心になってきます。
どんなことを学ぶの?
実際に学んでいく具体的なこととして、
①知識の習得
②思考力、判断力、表現力の育成
③学びに向かう力、人間性
と漠然と書いてありますが、要は
自分の人生を自分の力で創造していける土台作りをしていく。と思っていただければと思います。
ここでいう土台とは自分にあった努力の仕方、目標に向けて「なぜ?」「こうしよう」と思える力
を育むこと、つまり、メタ認知、非認知能力を育むことです。
しかし実際は・・・
要領が改定されたものの、うちの幼稚園では特別変わったことはありません。
周りの幼稚園でも変わったことはなかったそうです・・・
そしてこの改定、先生の中でも意識している先生は少ないです。悲しいですがこれが現実。
ですので、お子さんの親である皆さんが、お子さんのメタ認知、非認知能力を育んであげる必要があります。
まとめ
子どもの無限の可能性を引き出す
メタ認知、非認知能力。
その子にあった努力の仕方を教えてあげないと、その子は間違った努力を続け、自信をなくし続けてしまいます。
また、
「なんで?」「次はこうしよう」という非認知能力を育むことで、その子が
自分で自分の可能性を発揮できるように導いてあげます。
そのためには、その子にあった指導、接し方をし、何か困難に遭遇した時は答えを教えずに見守ることが必須です。
2030年を生きる子どもたち
今の幼稚園児が就職する頃には、2018年現在存在していない職業につく可能性が非常に高いと言われています。
そのためにも自分を成長させる術や、問題解決能力、粘り強さを幼稚園の頃から養う必要があるんですよね。
子どものためにも、メタ認知、非認知能力、ぜひ心にとどめてお子さんと接してあげてみてください。
私は、クラスの子達の可能性を最大限活かせるように、日々一人一人と、向き合うというよりも、
その子の隣、その子の後ろから、同じ方向を向くことを忘れないようにしています。
大人の価値観をその子に与えるのではなく、その子の価値観にあった選択肢を与えてあげることが
メタ認知、非認知能力を育む最大のポイントだと考えています。
長い文でしたが読んでいただきありがとうございました!