保育論

幼稚園に入園したばかりで泣いてしまう子どもへの対処法

入園 泣く子

こんにちは「元幼稚園のせんせい」ゆっこです。

「幼稚園に入れるのまだ早すぎたのかな?」「この子が泣いてるのは私の責任だ・・・」

入園の季節、それはお母さんとして初めて我が子を手放さなければならない、一つのターニングポイントですよね。

幼稚園のせんせい時代、初めての幼稚園でお子さんが泣きわめく姿をみて、自分を責めてしまうお母さん達とたくさん出会ってきました。

この記事ではいわゆる一般的なノウハウではなく、多くのお母さんの助けになれたという自負がある「子どものリアルなこころ」を書いています。

今まさにご覧頂いているお母さんの助けにもなるはずです。ぜひ読み進めてみてください。

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寂しいから泣くという誤解

お母さんと離れる時、子どもが泣いてしまうのはお母さんと離れたくない!という思いであることは間違いないです。ですが、実はもっと深くには「ぼく(わたし)ガンバれるからチカラをちょうだい!」という心理があります。

子どもはすごいです。環境に順応したいという力が備わっていて、これを適応能力といいます。適応能力を発揮するには、ある条件が必要です。それは心のタンクが満タンであること。

入園で泣く子

子どもの心にはお母さんの愛情を貯めておくタンクのようなものがあり、いつもそのタンクが満タンであることで安心を感じ、新たな事に挑戦できたり、頑張ろうという意欲が湧いてきます。

このタンクは、環境が変化するごとに大きくなります。その環境に順応したり乗り越えようとするために、これまでより大きなパワーが必要となるからです。

入園というのは大きな環境の変化。まさにお子さんの心のタンクが大きくなる瞬間です。どうしてもこれまでのタンクの大きさで満たされていた愛情が足りなくなる瞬間があります。

タンクの中身が不足しているということは、子どもの頑張るチカラが不足しているということ。だからお母さんと離れるのが辛い。これが意外と知られていない入園時に泣いてしまうお子さんの心理です。

入園 泣く子

ただ「さみしい」から泣いているわけではないんです。がんばれるチカラが欲しいんです。

ですので、入園時に泣いてしまうというお子さんにはその大きくなったタンクを満タンにしてあげれば、頑張る力が湧いてきて泣くことがなくなり、楽しく幼稚園生活を過ごせるはずです。

結局こころのタンクはお母さんの愛情で満タンになる

お母さんから離れるときに、子どもは「離れたくない」「さみしい」といって泣いてしまい心配になるのは当然ですが、それはお子さんの心のタンクが立派に大きく成長している証拠です。

それでも、「さみしい」なんて言われたらお母さんはお子さんが心配になりますよね。その寂しさを早くなくしてあげたい。だからいつも以上に甘やかしてしまったり、時には幼稚園をお休みさせてあげようとも思ってしまうと聞きます。

それでも子どもは登園のたび泣いてしまう・・・。心のタンクが満タンになっていない状態です。

大きくなった心のタンクは逃げ道を用意してあげても、いつもより甘やかしてあげても満タンにはなりません。

ですので、私はそんなお母さんたちに、こうお伝えしていました。

「◯◯くんはがんばれるので、お家でそれだけの愛情をたっぷり充電してあげてください!」

その”愛情”とはいつものお母さんの愛情です。「行かなくてもいいんだよ?」というフォローや、「今日は特別に!」なんていつもと違う対応は必要ありません。

どうすれば子どもは頑張れるのか

お母さんの今まで通りの愛情で大丈夫です。ただ、これまで以上に、スキンシップをとってあげたり、頑張りを認めてあげたり、ダメなことはしっかり叱り、時にはお子さんと二人きりの時間をとってあげてみてください。

実際に私が受け持った子たちも、お母さんたちの頑張りでコロッと泣かなくなりました。

「はなればなれになるわけじゃないんだ」

「いつもおかあさんがわたしをおもってくれてるんだ」

大きくなった心のタンクが満タンになると不安が消え、安心で満たされるんだと、実感しました。

ターニングポイントを迎えたからこそ、心のタンクは今までよりも大きなタンクに変化しています。それはつまりお子さん、お母さんで一緒に成長できるチャンスです。新しい成長が始まったと思って、これまで以上の愛情を注いであげてください。

まとめ

初めての幼稚園で泣いてしまうのは、ただ「寂しい!」「嫌だ!」という表面的なことではなく、心のタンクが大きくなったからこそ「チカラをちょうだい!」というメッセージだと、幼稚園のせんせいの経験から知りました。

子どもはすごいです。新しい環境にも順応しようとする能力があります。

そのすごさを支えるのはお母さんの愛情です。

ただ泣いているから泣きやます。寂しいから甘やかす。ではなく、「今までのお母さんの愛情を大きくなったタンクが満タンになるまで注いであげてください。」

これを悩んでいるお母さんに伝えることで、何人ものお子さんが泣くことがなくなりました。心のタンクを満タンにすることが子どもの安心につながり、成長していける原動力になるんだと確信しました。

そしてそれは同時にお母さんの心のゆとりにも繋がっていきます。そんな光景をたくさんみてきたからこそ、この記事を書くことができています。

この記事が少しでも多くのお母さんのゆとりと、お子さんの成長につながれば嬉しいです。

今新しい環境で子どもが泣いてしまって不安だったり、焦ってしまっているお母さんがいたら是非この記事をご紹介ください。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

ABOUT ME
奥村八重
保育業界って人間関係で悩む人が多いですよね。 女社会に加えてあの狭い空間の中で嫌な先輩、怖い主任、理不尽な園長と毎日過ごすことになります。 心も体もストレスや不満でいっぱいになってきませんか? 私自身も人間関係に悩んだ一人です。このサイトは保育業界の先生が毎日を平和に、ストレスフリーに過ごせる方法を紹介していきます。