こんにちは、元幼稚園のせんせい、ゆっこです。
「◯◯くんしずかにしなさい!」
電車で騒いでしまう子をなだめるのに苦労されているお母さん。
『うるさいぞ!』
(何してんだよ)
思いやりのない言葉を受けたり、冷ややかな人の目を受けて、迷惑をかけてはいけないというプレッシャーを感じているのではないでしょうか?
特に「疲れた」「眠い」からぐずってしまっているよりも、「楽しい!」「うぁーい!」に歯止めが効かない時の方が人の目が気になりますよね?駅間の時の流れが長く感じているはずです・・・。
こどもは楽しみでいっぱいで騒いでいるので、目がキラキラ。でもお母さんは周りへの気遣いでクタクタ・・・。お母さんだって電車で休みたいはずなのに。この光景はよく見ますし、実際に相談を受けることも多いです。
そんな姿を見たり、話を聞いていて、私の幼稚園での経験がぜったいお母さんの助けになる!とこの記事を書くことにしました。
みなさんお母さんという大役を全うしようと本当に全力でいます。だからこそ、「元幼稚園のせんせい」という親でもなく、家族でもないですが、子どもの専門家である私にお助けさせてください。
この記事を読んでいただければ、次に電車に乗る時、少し楽な気持ちで乗れるはずです。ストーリーにして書いたのですぐに読めると思います!
遠足のロープウェイでさわいでしまった子どもたちのお話です。
幼稚園の先生になって初めての年に、年中さんの遠足でロープウェイに乗って富士山を見る機会がありました。乗る前からみんなワクワクドキドキ♪私もとても楽しみでした。
いざ!ロープウェイに乗ると子どもたちの他に、一般の方も乗っていて、中は満員。
そんな中子どもたちは大きな富士山に興奮状態!一般の方もいる中、みんなで大騒ぎしてしまいました・・・。
「みんな静かに!」「ダメだよ!」と言っても全く聞く耳を持ってくれません。一般の方の中には嫌そうな顔をされている方も何人か居て、私はとても申し訳ない気持ちと、なんとかしなきゃ!!という思いで、なんどもなんども注意します。しかし結局ロープウェイの中はうるさいまま頂上に到着してしまいました。
その時の周りのお客さん、ごめんなさい。。
「なんでだろう?注意してるのに全く聞いてくれない。静かにしてくれない。少し強く注意すると一瞬大人しくなるけどまたすぐに騒いでしまう・・・お話が聞けない子達ではないのに・・・。」
ずっと考えていましたがある当たり前に気づきました。
「でもまてよ?こどもは”ロープウェイで騒いじゃいけない”なんて最初から知ってるはずないよね・・・。ロープウェイなんて真新しいものを見て、富士山を見て、興奮しないわけないじゃん。子どもなんだから。なんで気づかなかったんだろう。私にとってはそれでも他の人がいたら静かにする。のは当たり前だけど子どもたちにとってはそんなことないのに。」
そこであることを試してみました。
「そうだ!帰りのロープウェイは他の人がいるってことを”事前”につたえてみよう!騒いでしまうと他の人に迷惑がかかっちゃうということがわかれば、みんなも静かにすごせるはず!」
子どもは”楽しい!”という自分の世界に入り込むともう手遅れです。キラキラタイムが待っています。なら、その前に伝えれば、わかってくれる!そう思ったんです。
そこで帰りは乗る直前にみんなにお話しました。
「これからまたロープウェイに乗るんだけど、みんなの他に、他のお客さんも乗るのね?みんながうるさくしてたらどう思うかな??楽しい気持ちになるかな??」
『ならなーい!うるさくてお耳がいたーい!』
「そうだよね?だからロープウェイの中では静かにします!できる?」
『うん!できるよー!』
(か、可愛い!!天使!!)
帰りのロープウェイは本当にびっくりするほどみんな静かに過ごしてくれました。私の心も安らかになり、少しだけ富士山を満喫することができました。
この後、幼稚園では何度か行事がありましたが、しっかり”事前”にお約束することで、私の負担も減っていきました。
この経験は財産です♪
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子どもはそもそもルールを知らない。
一年目の私、本当に毎日が大変で子どもに対して前のめりでした。だから子どもの世界と私の世界が入り混ざっていて「他の人がいる場では騒がない」という常識が子どもにもあると無意識に思ってしまっていたんです。
毎日一緒にいるお母さんも「大人」と「子ども」の世界が一緒になってしまうことが多々あると聞きます。子どもと接する時間が短いせんせいよりもその境界線は消えやすいものなんじゃないかと思います。
一歩下がって考えてみると、子どもは騒いで良い場所とそうでない場所、大人が示してあげないとわからないなんてこと簡単にわかるのに、距離が近づけば近づくほどその簡単なことが見えなくなってしまうんですよね。
”事前”に伝えると、考えてくれる
大人と子どものちがいはもう一つあります。子どもは楽しみを見つける天才です。一度楽しい世界に入り込むとそこから抜け出してきてもらうのはかなり難しい。その証拠に電車で騒いでしまった時の「静かに!」「だめ!」なんて全く届きませんよね。
なので、”事前”に
・今から行く場所がどんな場所か
を知らせてあげるだけで子どもの態度は変わります。子どもも全くはなしを聞かないわけではありません。自分の世界に入りこむ前にしっかりと目線を合わせておはなしすることがポイントです!これは特に行事で公共の場にいくときに、とても効果がありました。
ロープウェイの下りに乗る前に私は「他の人が乗る」ということをまず伝えました。ここで、いつも自分の世界に入ってしまう子どもたちに「他人」が意識されます。子どもは他人がいることを事前に把握できていれば、それだけで「何かがちがうみたいだぞ?」と感じとってくれるんです。すると、自分の世界の中だけで楽しいものを見つけることはしなくなる傾向があります。つまり騒ぎにくくなります。
どうして騒いじゃいけないの?
他の人がいるからいつもと違うということがわかり多少騒ぐことはなくなっても、それだけだと本当の意味での成長にはつながりません。
なぜルールがあるのか、なぜお約束しなきゃいけないのか
これがわからないと、「お母さんがいったから、せんせいがいったから・・・」となってしまい、いくら事前にルールを知らせてお約束しても、こどものこころをくすぐる”真新しい何か”を見つけると、こころを奪われ、騒ぎ出すことも少なくありません。
そうではなく、子どもには自分で考えて行動できるように成長して欲しいですよね。
そのために、大人はなぜ騒いではいけないのか。をしっかり伝えるべきです。
そうすればあらゆる場で無限に騒ぐことは少なくなりますし、その先も”なぜ”がわかっていれば、お母さんの負担が減り、子どもの成長した姿が増えるはずです。
まだ小さい時期は無理なんじゃないか・・・と私も思うことがありましたが、繰り返し伝えればこどもは絶対にわかってくれます。
他人の気持ちを考えさせてあげる
なぜ?を伝える上で重要なのが、他人の存在です。こどもはいつも自分の世界にいるので、他人の気持ちには気づきにくいものです。
実際ロープウェイでも、うるさくすると他の人がどう思うのかを想像させてあげるだけで、子どもたちの態度はがらっと変わりました。人の気持ちになって考えたことで、うるさくしてはいけないな、と心から感じ「約束を守ろう!」「守りたい」そう感じてくれたみたいです。
子どもたちは他人の気持ちを自分に置き換えて考えることができ、さらに、このような経験を積み重ねていくと、どんな場所に行っても自ら他人の気持ちに気づくようになります。そ
して、正しい行動を選択できるようになるんです。本当に。つまり、「人を思いやれるようになる」ということです。私はこれが教育のゴールだと思っています。
[memo title=”わたしのきもち”]実際それでも騒いでしまう子はいます。でも諦めず、なぜ騒いだらいけないのか、他人の気持ちになって考えてもらいます。最初はできないのは当たり前です。繰り返し、繰り返しで子どもも考える力がついて来ます。子どもの成長は人それぞれ、ゆっくりな子、突然成長する子さまざまですが、大人が繰り返し伝えることを諦めたらそれまでです。[/memo]
まとめ
子どもは基本的に自分の世界の中で生きています。石を見つけては宝石のように眺めたり、虫を捕まえてきては対談を始めたり、お人形さんとライブを開催したり・・・
公共の場でそれが発揮されてしまうと、お母さんは困ってしまいますよね。
公共の場でのお母さんのストレスを失くしつつ、お子さんの今後の成長を促すには、何事も事前に伝えることです。そしてルールや約束事は子ども自身で「守りたい」「守ろう」と思えることが大事です。そのためにはなぜルールがあるのか、なぜ約束を守らなければならないのかを、自分の身に置き換えて考えさせてあげましょう。
そうすればこの先、自分で考えてその場に応じた行動を自分で判断するようになります!
私が実際に経験し、その後の幼稚園生活でもかなり役に立った方法です。ぜひ試してください!ただのノウハウではありません。子どもの成長のために大人がすべきことであり、結果的にそれがお母さんの負担を減らしてくれるはずです。
長くなってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました!