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保育士は年度途中でも退職できる?円満に辞める方法を解説【実体験あり】

奥村八重

今の保育園を退職したいです。でも「3月以外に辞めるのはダメ」みたいな空気があって迷っています。悩みは日々膨らむばかりで、辛くなってきました。どうすればいいですか。

こんな悩みに、元保育士の私が答えます。

結論からいうと、年度の途中でも保育園や幼稚園を退職できます

なぜなら、法律で「2週間前に申し出れば退職できる」と認められているからです。

実際に、私も年度途中に幼稚園教諭を辞めた経験があります。

今回はそんな私の経験をもとに、保育士や幼稚園教諭が年度途中で退職することについて、くわしくお話します。

やえ
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記事の気になるところから、読んでくださいね!

保育士は年度途中でも退職できます

まず最も大事なことを伝えます。保育士は年度の途中でも退職できます

なぜなら、民法627条で「2週間前に申し出れば退職できる」と認められているからです。

ただ、実際には2週間でいきなり退職できることは少ないです。

たとえば、保育園や幼稚園の「就業規則」で、「退職するときには1か月前までに申し出ること」などと決まっている場合。これは「就業規則」が優先されます。

また、パートの場合、雇用期間中は原則として退職できません。ただし体調不良など、やむを得ない場合は辞められます。

やえ
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新しい保育士を採用したり、人事異動で対応するための準備期間が園には必要ですから、1~2か月前くらいに申し出るのがおすすめです。

年度途中の退職はダメ、みたいな空気がある理由

でも保育園や幼稚園で働いていると、3月以外での退職が許されないような空気ってありますよね。

そんな空気がある理由は「担任制度」があるからです。

担任が年度途中で変わると、園には以下のような影響があります。

  • 子どもに不安な気持ちを抱かせてしまう
  • 園に対する、保護者の信頼に影響する
  • 園の人材確保や運営に影響する

これらの理由によって、担任に区切りがつく3月末以外には辞めづらい空気ができているのです。

ひどい園だと、子どもたちへの影響を理由に「辞めるなよ」と圧力をかけてくることもあるそうです。

でも、これだけは知っておいてください。大事なのは、あなた自身の人生です。周りが何といおうと、子どもたちや保護者に影響が出ようと、あなたが健康に日々を過ごすことが最優先です。

年度途中で退職したいと思うきっかけ

年度途中でも退職したいと思うようなきっかけには、パターンがあります。代表的なものをいくつか紹介しますので、あなたの状況と似ているか、考えてみてください。

  • 結婚して家庭に入りたい
  • 親の介護をしなくてはならない
  • 体調がいつも悪く、働き続けるのが辛くなった
  • 園内の人間関係に疲れてしまった
  • 保護者対応に疲れてしまった
  • 責任が重すぎて耐えられなくなった
  • 給料が安く、サービス残業や持ち帰りも多い

このどれかに当てはまることが多いのではないかと思います。どれも、十分に年度途中で辞めて良い理由になります

円満に退職するための手順

ここからは、円満に保育園・幼稚園を退職するための手順を解説します。

  1. 自分の気持ちを整理する
  2. 退職時期を検討する
  3. 他退職理由を考える
  4. 切り出す
  5. 引継ぎの準備を始める
  6. 関係者に挨拶する
  7. 最終日まで働く
  8. 必要な手続きを取る

1つずつ、ていねいにお話します。

自分の気持ちを整理する

まずは自分の気持ちを整理しましょう。

今の園を辞めたいと思う理由。そして、辞めた後にどうしたいのか。他の園に行くのか、子どもと関わる別の仕事をやるのか。または全然違う仕事をやるのか。

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責任感が強い人だと「辞めるのは迷惑かな」と考えがちですが、まずはあなた自身の人生・健康を最優先してください。

退職時期を検討する

気持ちの整理がついたら、退職の時期を考えましょう。

繰り返しますが、3月末にこだわらなくても、いつでも退職は可能です。自分や家族の都合を踏まえて、辞めたい時期を考えましょう。

やえ
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ただし、大きなイベントの前など、繁忙期に退職するのは、できるだけ避けた方が良いでしょう。

退職理由を考える

次に、退職理由を考えます。ポイントは今の職場への不満を理由にしないことです。

なぜなら、職場への不満を理由にすると、「じゃあ改善するからさ、もう少し働いてよ」と止められてしまう可能性があるからです。

たとえば「労働時間が長くて辛い」というと「分かりました。残業を減らせるように検討するから、辞めないでください」と言われたりします。(実際には検討してくれないケースが多いですが)

退職理由は「体調不良」「家族の事情」など、個人の事情だからどうしようもないと諦めてくれそうな理由を作るのが良いです。

やえ
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私の友だちには、彼氏なんていなかったのに「結婚が決まって転居します!」と言って辞めた人もいました。ちょっと強引ですが、それくらい言っても別にいいのです。

「もっと別の仕事にチャレンジしたくなった」のように前向きな理由を伝えても良いのですが、「それはうちの園でもできるんじゃないか」などと反論される可能性がある点は注意してください。

切り出す

退職の時期や理由が固まったら、上司に退職の意思を伝えます。できれば退職の1~2か月くらい前に切り出すのが望ましいでしょう。

自分と最も役職が近い上司から伝えるのが基本です。保育園や幼稚園の場合は「主任」の場合が多いです。

ただし、園長との信頼関係が築けているのであれば、園長から伝えても良いです。その場合は「私、聞いてないんだけど!」と思われないよう、主任などの他の上司にもすぐに伝えるようにしましょう。

引き継ぎの準備を始める

退職の際には「引き継ぎ」を行います。引き継ぎを行う理由は、あなたがやっていた仕事を、他の保育士がスムーズに行えるようにするためです。

引き継ぎでは、以下のような内容まとめます。

  • 子どもたちの情報(アレルギー、発達状況、好み、クセなど)
  • 進行中の仕事(イベントなど)
  • 担当しているクラスのカレンダー、スケジュール
  • 保護者との関係(保護者の連絡先、対応に注意が必要な親の情報など)

まとめ方は自由ですが、口頭で伝えるのではなく、パソコンのWordや紙のノートなど、形に残してまとめましょう

そうしないと、聞いた側はいっぺんに覚えられませんし、重大な事故などにつながるおそれもあります。

関係者に挨拶する

子どもたち、保護者、園のスタッフに退職の挨拶をします。仮に嫌なことがあって退職する場合でも、これまでの感謝の気持ちを伝えましょう。

挨拶の例文が知りたい人は、以下のサイトが参考になります。

保育士が年度途中に退職するときの挨拶の例(外部サイト)
保育士が年度途中に退職するときの挨拶の例(外部サイト)

最終日まで働く

退職日と最終出勤日が決まったら、その日までは一生懸命働きましょう。

「どうせもう辞める職場だから」と適当に仕事をするのはおすすめしません。保育業界は狭い世界。もしかしたら、辞める直前の悪い印象が別の園に伝わる可能性もゼロではありません。

やえ
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一生懸命働くほど、辞めたときの解放感も大きくなります。最後まで手を抜かずに取り組みましょう。

必要な手続きをとる

最後に、退職に関して必要な手続きを取ります。

手続きには「書類などの提出・返却」と「必要書類の受け取り」があり、まとめると以下の表のようになります。

提出・返却するもの受け取るもの
退職届、健康保険証、引き継ぎ資料、制服、備品、定期券など離職票、年金手帳(預けている場合)、雇用保険被保険者証、源泉徴収票など

くわしくは保育園の人事担当者などから案内があります。それにしたがって、必要な手続きを忘れずに行いましょう。

退職届(退職願)は、退職日の1~2か月前までに提出しましょう。フォーマットは、インターネット上にあるものを使って構いません。

引き止めやパワハラへの対策

保育園にとっては、できれば保育士には退職してほしくありません。

そのため「辞めます」というと、強引に引きとめてきたり、ひどい場合は「責任感が無い」「子どもに迷惑をかけるのか」などと圧力をかけてくる園もあります

こうした引き止めやパワハラへの対策を、2つ紹介します。

対策①転職エージェントに相談する

まずは、転職エージェントに相談しましょう。

転職エージェントとは?

あなたに専属の担当者がついて、転職活動をサポートしてくれるサービスです。利用料は無料で、履歴書のチェックや、面接の練習もしてくれます。

転職エージェントは無料でカウンセリングを行ってくれるので、そこで引き止めやパワハラについて相談ができます。

やえ
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こうした相談は園内の人にはしづらいもの。第三者に相談することで、気持ちが楽になりますよ。

対策②退職代行業者を使う

職場との退職の交渉を、代わりに行ってくれる「退職代行」というサービスがあります。これを使えば、弁護士などの専門家のサポートを受けながら、確実に退職を実現できます。

数万円の費用がかかりますが、園長や主任と話すのも嫌だという人や、パワハラを受けて精神的に落ち込んでいる人は、退職代行を使うのもありでしょう。

ネットで「保育士 退職代行」などと検索すれば、業者が何社かヒットするはずです。

引き止めやパワハラを受けたからといって、転職をためらってはいけません。大事なのはあなたが健康に人生を過ごせることです。

年度途中で退職したら、転職活動は不利になるのか?

結論から言うと、伝え方次第では不利になります

というのも、保育業界は基本的に年度途中での退職を嫌がるからです。

面接で前の仕事を退職した理由を聞かれたとき「嫌だったから」と本音を答えてしまうと、「ああ、この人はうちに入っても同じように辞めるのかもしれないな」と感じられ、不利になってしまいます。

転職活動の現場では、あくまで前向きな退職であること、あるいは家庭などやむを得ない事情での退職であることを、しっかりと伝えましょう。

退職理由を思いつかない人は、先ほど紹介した転職エージェントに相談してみるのもありです。

まとめ:年度途中で先生が辞めるのは、園側の責任

最後に、年度途中で保育士を辞めた私の経験から、大事なことをお伝えします。

保育士や幼稚園教諭が、仕事での苦痛を理由に年度途中で退職するのは、園側の責任です。

なぜなら、園の管理職には、職員(保育士や幼稚園教諭、事務員)が安心して働ける環境をつくる責任があるからです。

本来は園側に責任があるのに「あなたは辛抱が足りない」などと責めるのは、パワハラ+責任逃れの最低な行為です。

そんな園、辞めてしまった方が、人生が前向きになるのは間違いありません。

やえ
やえ

実際、私も年度途中で退職して転職したら、自分の保育観にあう別の職場を見つけ、優しい先輩や後輩に囲まれて、毎日を楽しく過ごせるようになりました。ストレスが減り、お肌の調子も良くなりました。

いくら悩んでも、行動しなければ人生は変わりません。勇気をもって、一歩を踏み出してみましょう。

私は退職に当たり、転職エージェントの「保育エイド」に相談しました。他にも転職エージェントはたくさんあります。もう辛いかも…と思ったら、以下の記事を参考に、転職エージェントに相談してみてください。

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「保育士の地図」編集部
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保育園や幼稚園で今働いている人、これから働こうと考えている人の悩みに答えるブログです。元保育士や幼稚園教諭のライターが、実体験をまじえた記事をお届けします。
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