保育論

園外保育でこどもがうるさい。そんなときは事前に約束させる。

子ども 公共の場 騒ぐ

こんにちは、「元幼稚園のせんせい」のゆっこです。

園外保育に出かけたとき、公共の場でうるさくなってしまうこどもたちにどうしていいかわからない。周りの先生に「〇〇先生のクラスはうるさいわね」と思われてしまうのではないか…。こんな悩み、ありませんか?

クラスによっては元気な子が集まっていたり、どうしようもないこともあります。それなのに上の先生たちは「あのクラスはだめだ」と言う。どうにか工夫をしているけどいっこうに改善しない。でも誰も教えてくれない。もう、どうしたらいいの…?不安になり、保育が嫌になることもありますよね。

そんなときは、事前にルールを伝え、ルールを守るとどんないいことがあるか、を経験させましょう。こどもは経験したことしか身になりません。

[say img=”http://kodomo556.com/wp-content/uploads/2018/10/6103fc5722c8348142ec949baf702ae1_s-1.jpg” name=”先生”]ゆっこ先生、うちのクラスはいつもうるさくて・・・今度園外保育に行くんですけど、もう気が気がじゃなくて・・・どうしたらいいですか?[/say]

[say img=”http://kodomo556.com/wp-content/uploads/2018/10/yukiko2.png” name=”ゆっこ” from=”right”]そうですねぇ。子どもはみんな園の外に行くことが大好きですからね!いつもと違うし、楽しくなっちゃうんじゃないかなぁ。でも、うるさくしてはいけない理由がきちんとわかれば、こどもだって公共の場でも静かにしてくれますよ。[/say]

子どもは常に自分の世界のなかで生きています。騒いでいる最中なんてまさに自分だけの楽園!そんな時に「静かに!」「駄目でしょ!」は悲しくも、子どもの世界には届いてません。

この記事では幼稚園の先生だった私が、実際に園児と公共の場に行く際に使っていた知識、経験をご紹介します。ぜひ保育に役立ててください。

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もともと子どもはうるさい生き物

「うちのクラスはいつもうるさくなっちゃって…」と悩む先生ほど、真面目に子どもと向き合っている方なんですよね。むしろこどもがうるさくできるということは、担任の先生に心を開いているということです。

でも、うるさくされるのは困るし収集がつかなくて危険なことにつながることだってあります。では、どうしたら静かにしてくれるのか?それは、うるさくなってしまう時のこどもの心理を理解するところから解決策がみえてきます。

「どうしてうるさくしちゃいけないの??」

子どもはもともとうるさい生き物なんですよね。幼稚園の中も外も関係なく楽しいことを見つけては大騒ぎします。逆に言えば、気持ちを自由に表現できているということです。ですから子どもにとって、どうして幼稚園ではさわいで良くて、外では騒いではいけないのか、わからないんです。

場所を問わずうるさい理由

加えて家でも外でも関係なく騒いでしまう子どもは「他人」への関心が全くありません。

私が先生をしていた幼稚園でもそうでしたが、なんでもない石を拾ってはまるで宝石のように一人で大事にしまっていたり、虫さんをみつけては一対一でお話したり、みんながみんな自分の世界の中でたのしんでいます。

大人と違って子どもは自分だけの世界の中でたのしいことをみつけて夢中になってしまうんです。(私は素敵だと思う。)

例えば電車の中で「だめでしょ!」「しずかにしなさい!」と注意をするとき、大人は周りの大人で頭がいっぱいです。でも、子どもは楽しい自分の世界にいるということ。いきなり「だめでしょ!」と注意をしても、言ってもいうこと聞かないことってありませんか?その時、子どもには突然「だめ!」「しずかに!」と怒られたという事実だけが残ります。

どういうことかというと、大人は「(周りに迷惑がかかるから)静かにしなさい!」と伝えているつもりでも、子どもにはその

「他人」に迷惑がかかるから騒いではいけないんだ。と理解できるまでは、何度注意されても、楽しい楽しい自分の世界に戻ってしまい、繰り返し先生から注意されるんです。

逆にいうと、自分たちの他に他人がいるということを理解し始めると子どもの態度や言動が大きく変化してきます。

事前に伝えてみてください。

[say img=”http://kodomo556.com/wp-content/uploads/2018/10/6103fc5722c8348142ec949baf702ae1_s-1.jpg” name=”先生”]じゃあ実際にはどうすればいいんですか?[/say]

[say img=”http://kodomo556.com/wp-content/uploads/2018/10/yukiko2.png” name=”ゆっこ” from=”right”]”公共の場で騒いではいけない”と子どもに理解してもらうためには事前にルールを教えてあげればいいんです![/say]

公共の場には、まわりの人と気持ちよく過ごすためのルールがあります。それは大人にとっては常識だとしても、子どもにとっては非常識。教えてもらわないと大人の常識なんてわからないのです。

試しに次の園外保育の前に、今から行く場所がどんな場所で、どんなルールがあるのか伝えてから幼稚園をでてみてください。今までのこどもたちと少し違う姿がみれるはずです。私も子どもに試してみた時、「え!変身した!?」と思うほどでした!

ルールを伝えるポイント

例えば幼稚園を出る前か前日に、

①公共の場ということを伝える
「〇〇幼稚園じゃない人もたくさんいる所だよ」と伝え、これからいく場所は「自分たちだけの場所ではない」ということを教えてあげます。

②ルールを具体的に伝える
「お話しする時はボリュームは2で話そうね」
「走らずに、ゆっくり歩こうね」
「椅子にお尻をつけて座ろうね」

などなど。

この①と②の2つを伝えるだけでも子どもは「自分の世界」から「みんなの世界」を感じ始め、子どもにとっての過ごす世界が180度違うものになります。

大人になった私たちには少し理解しづらいかもしれませんが、子どもにとってはそうなんですよね。

[say img=”http://kodomo556.com/wp-content/uploads/2018/10/yukiko2.png” name=”ゆっこ” from=”right”]もちろん、まだまだルールを決めたばかりだと守れないこともあります。まだ経験が浅いので仕方のないことです。先生も子どもも悪くありません。そんなときは、守れなかったことよりも少しでも守ろうとしてくれたことをピックアップして、そこをたくさん取り上げて認めてあげます。できれば「すごい!」というばかりではなくて、「そうすれば周りの人も気持ちよく利用できているみたいだね、みんなありがとう。」などと伝えることで、こどもたちの視野が広がり、みんなでこの場を使うんだ、自分も一員なんだという意識も生まれます。[/say]

まとめ

今日は「どうしてうるさくしちゃいけないの?」というこどもの心理を取り上げました。

園外保育でいつもうるさいこどもたち。叱らなければいけない自分。上の先生たちの冷ややかな目・・・。幼稚園時代からこんな状況をよく目にし、辛い気持ちになっていました。だって、叱る先生も、騒ぐ子どもも悪くないからです。それなのに、「あの先生のクラスはいつもうるさいのよね」「あの先生だからうるさいのよ」という勝手な解釈によって、思うように保育ができない先生がたくさんいます。だからこの記事を書きました。

子どもの困った行動には必ず理由があります。それは子どもたちなりの世界があり、大人にはない特性を持っているからこそ、大人にはわかりづらいのです。少しでも多くの皆さんにこの「こどもごころ」を知っていただくだけでも、保育の世界は少しずつ変わっていき、多くの先生を救えると私は信じています。子どもを理解し、寄り添いながら、より良い保育とはなにか?一緒に考えていきたいと思います。

ABOUT ME
奥村八重
保育業界って人間関係で悩む人が多いですよね。 女社会に加えてあの狭い空間の中で嫌な先輩、怖い主任、理不尽な園長と毎日過ごすことになります。 心も体もストレスや不満でいっぱいになってきませんか? 私自身も人間関係に悩んだ一人です。このサイトは保育業界の先生が毎日を平和に、ストレスフリーに過ごせる方法を紹介していきます。