保育論

あなたのクラスの子どもが片付けができない原因と3つの対処法

幼稚園教諭 1年目 悩み

こんにちは!「元幼稚園のせんせい」ゆっこです。

「うちクラス、片付けができない…」

「となりのクラスはちゃんと片付けてるのに…」

でも安心してください。

①おもちゃの量を減らす

②決まった位置に片付ける

③成功体験をさせてあげる

この3つを実践するだけで、片付けができるようになります。

「あれ?簡単!」と思いますよね?

対処法は簡単なんです。

ただ、片付けができないという壁はこれからのお子さんの意欲にかかわる最初の壁であり、とても大切なときです。

子どもがなぜ片付けをしないのか、根本から理解できていないと、子どもはこれから先も”めんどくさい”に負け、問題が起きた時にすぐに投げ出してしまう癖がついてしまいます。

この記事で私がお伝えしたいのは、”片付けをする方法”だけではなく。

片付けの壁を乗り越えて、これから先の出来事に前向きに取り組むように子どもを導く方法です。

「子どもは片付けをしないのではなく、できない。」

この真実をお伝えした上で、記事の内容に入っていきたいと思います。

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子どもはなぜ片付けをしないのか

7歳未満の子どもは一度にたくさんの情報を処理できません。大脳が発達しきっていないからです。

つまり片付けができないのは、一度に処理する情報が多すぎるからなんです。

おもちゃが多すぎると、

「どのおもちゃをどこにしまうの?」

「このおもちゃを片付けたらおわり?まだあるのぉ?・・・」

片付け中、こどもの脳はフルパワー状態。

この状態が、

片付けは難しい

めんどくさい

できない

という思考回路をつくりだしています。これは片付けだけでなく、今後の日常生活においても悪影響を及ぼします。

勉強や友達との関係、受験、仕事、家事、育児など、

ただ片付けをさせるようにするという表面的な解決ではなく、根本的な問題を解決してあげないと、全てにおいて早々に「できない」と思い込む癖がつきます。

「片付けができない」という悩みは、「できない」という思い込みとの最初の出会いです。片付けをきちんと乗り越えれば、「できない」という思い込みはしなくなります。

根本的な問題は「脳が処理しきれていない」ということです。ですので、

「片付けができない」という悩みの根本的な解決策は脳の発達にあった環境を作ってあげることです。

その対処法が次の3つになります。

①おもちゃの量を減らす

②決まった位置に片付ける

③成功体験をさせてあげる

順番に説明していきますね。

対処法①おもちゃの量を減らす

お伝えした通り、子どもは脳の発達が十分ではないので、脳で処理できないことに疲れを感じます。

おもちゃの量は片付けの時の子どもの疲れの量と考えてあげてください。

それは家庭でも同じ。お母さん方にお子さんはどんな環境で遊んでいますか?と聞くと「おもちゃの量や種類が多いかな!散らかりすぎて困ってます〜」なんて答える方がほとんどです。

幼稚園の場合、クラスに対しておもちゃの量が決まっていると思いますが、片付けできないということは多すぎるということです。本来であれば子どもの人数に合わせておもちゃの量を決めるものですので、その園は理論的に考えられていないということになります。難しいかもしれませんが、可能な範囲内で少しずつ減らしてみましょう。そして様子をみてください。

対処法②決まった場所に片付ける

子どもはわかりやすいルールがあると「できる!」と思えます。

子どもは規則性のあるものが大好きです。

例えばドミノ。ドミノは同じ形の積み木を並べますよね。どの子もこの規則性に心を奪われ、ドミノをやっていなくてもワクワクしてその様子を見守ると思う子もいます。

この心理をつかって、片付けにも規則性をつくってあげることで子どもへの負担が減ります。

おもちゃ箱の位置がいつも違う場所だと規則性がないので、どこに片付けるかを毎回考えなければならなくなり、その時点で脳をフル回転させなければなりません。

その結果、「できない、疲れる」と感じてしまいます。

ですのでおもちゃ箱はいつも同じ場所においてあげましょう。

規則性を覚えたら「車はここでしょ?ブロックは、こっち~!」というようなかんじで、喜んで片付けをしてくれます。

対処法③お片付け成功体験をさせる

・おもちゃの量を減らす

・おもちゃ箱は同じ位置におく

以上を実践すれば、だいぶ片付けはできるようになります。成長したこどもの姿を見ただけでわたしは嬉しくて目が潤むんですが、笑

まだ喜ぶのははやいです。

子どもにとって1番大事なのは片付けが「成功した」と実感すること。

「よくできたね!がんばったね!」

「きれいになってきもちいいね!」

と声をかけてあげてください。きっとドヤ顔を見せてくれるはず。笑

成功体験が自信につながり、今後も意欲的に片付けをするようになります。

 

以上は、ただの片付けをさせる手段ではありません。

最初の「めんどくさい」を乗り越えて、今後も物事に対して前向きに取り組めるようになるための大切な環境作りです。

ここを乗り越えればこの先に起きる問題も子どもにあった環境を与えてあげることで乗り越えることができ、自信に繋がり、としを重ねるごとに自分で問題を解決できる人になります。

ここを逃さずにしっかり向き合ってあげましょう。

こどもの片付けにイライラしないためには?

おそらく、対処法を実践しても「なんで今日も片付けしてないの…」

と何度言ってもわからない子どもたちに「イラっ」としてしまうこともあるでしょう。となりのクラスと比べて焦りが増してしまうことだってあると思います。

それは当然な感情。クラスをもっていたらそれだけの責任があるからです。

でも、大人もそうですがなんでも最初からできるようにはなりませんよね。子どもだったらなおさら、覚えるまでがとても大変です。

そこで、子どもをイライラしないで見守るには、”スモールステップ”が1番だということをお話しします。

スモールステップで片付けのイライラをなくす

スモールステップという言葉を知っていますか?

こどもに対して、段階をおってレベルを設定してあげることをいいます。

・今日は一個でも片付けたらよし!

・今日は半分まで片付けられたらよし!

・今日は全部しまってもらう!

・今日はちゃんと綺麗に箱に入れてもらう!

このように、スモールステップで子どもに接するとイライラもなくなりますよ。

わたしの経験上、子どもは積み重ねる事で必ずできるようになりますので大丈夫。一歩一歩見守ってあげてください。

まとめ

子どもが片付けをしないのは”やらない”のではなく”できない”んです。

脳の発達が未熟なため多くの情報を処理できず、困っている状態です。

その状態を改善してあげないまま、ただ「片付けをするノウハウ」を子どもに試しても、その時は改善するかもしれませんが、新たな問題が起こるたびにノウハウに頼り、自分で考えて解決することができなくなります。

めんどくさいと思っているのは何故なのか?どうしたらこの先の問題も解決できるように育つのか。

大人はこれを常に考えてあげるべきで、それがあっての対処法、ノウハウなんです。

繰り返しになりますが、表面的な解決ではなく、根本的な解決をサポートしてあげることで、自発的に物事に取り組む素敵な人に成長します。

 

そのためには先生の存在は必須。子どもたちと一緒に乗り越えてあげてください。

ABOUT ME
奥村八重
保育業界って人間関係で悩む人が多いですよね。 女社会に加えてあの狭い空間の中で嫌な先輩、怖い主任、理不尽な園長と毎日過ごすことになります。 心も体もストレスや不満でいっぱいになってきませんか? 私自身も人間関係に悩んだ一人です。このサイトは保育業界の先生が毎日を平和に、ストレスフリーに過ごせる方法を紹介していきます。